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中米移民とは

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「中米移民」ってどんな人達?​

 

 メキシコの南に位置する中米地域では貧困率の高さや治安の不安定さが問題となっている国も多くあります。特に「中米魔の三角地帯」とも呼ばれるホンジュラス・エルサルバドル・グアテマラの3か国の状況は深刻です。これらの国々から、安全な生活やより収入のよい仕事を求めてアメリカ合衆国への入国を目指し、メキシコを通過して移動・移住する人達のことを「中米移民」と呼んでいます。

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​メキシコ
アメリカ合衆国
ホンジュラス
グアテマラ
エルサルバドル
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【参考】逮捕されたマラス

  (ホンジュラスの新聞”El Heraldo”, 2018.4.23 より引用)

顔にいたるまで全身にタトゥーを入れているのが特徴といわれる。2大勢力は、”Mara 18”と”Mara Salvatrucha”

なぜ祖国を去るの?​

 

 祖国を去る理由は人によって様々ですが、貧困ゆえに家族を養えないのでより良い収入を得るためという経済的理由や、ギャング組織からの脅迫を受けたり暴力にあったりして逃れてきたという理由が多く聞かれます。特に、「マラス」と呼ばれるギャング組織は中米北部で幅を利かせていて、2大勢力が抗争を繰り返しています。縄張りの地域の住民にみかじめ料を要求し、支払えなければ殺すと脅したり、若い子達を組織に勧誘したりしています。

​ こうした理由でやむにやまれず祖国を去った移民たちのほとんどは正規のビザ取得手続きができていないので、非正規なかたちで国境を越えることになります。

どうやって来るの?​

 

キャラバン

…"Caravana de migrantes" =「移民キャラバン」と呼ばれ、数百人から数千人単位で隊列を組んで徒歩移動します。2018年秋にはSNSを通して8,000人を超える移民が参加し、世界的に報道されました。キャラバンで移動することで、道中で犯罪被害に遭いにくい、宿泊や食料の支援が受けやすいなどのメリットがあります。

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乗り合いバス

…マイクロバスを乗り継いで北を目指す移民もいます。キャラバンからバスに乗り換えるといった、複数の移動手段を組み合わせて移動することも多いようです。

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Imagen de archivo del paso por la CDMX de integrantes de la caravana migrante, en enero de 2019. (Foto: Gobierno de la CDMX)

 

La Bestia (ラ・ベスティア)

…「ラ・ベスティア」とはスペイン語で「野獣」の意味ですが、あたかも野獣のごとく走る貨物列車をそう呼びます。メキシコを縦断しているこの列車の背に乗り、北を目指すという過酷な旅を選ぶ移民もいます。途中で落ちてしまって大けがをすることもあります。

​ 沿線にはこうした移民たちに食料や宿泊場所を提供するボランティア団体もあります。

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Foto:Elizabeth Ruiz / AFP

Este contenido ha sido publicado originalmente por Diario EL COMERCIO en la siguiente dirección:https://www.elcomercio.com/actualidad/bestia-tren-mexico-migracion-estadosunidos.html.

メキシコ移民局や人権委員会が移民数や移動手段について調査しているものの、移民たちの多くは非正規なかたちで移動しているパターンも多いので、正確なデータを把握することは難しいのが現状です。実際には、非合法の案内人にお金を払って移動や米国入国の手筈を整えてもらうといったケースもあります。中には、米国国境までたどり着いたものの、書類不備で強制送還されたり、難民認定審査に数か月待機することになったりして、一度戻って再び国境を目指す人もいます。

​子どもの移民

 

 18歳未満の子どもが、保護者の同伴なしで国境を越えることも少なくありません。祖国でマラスなどのギャング組織に脅されて家族と離れて自分だけ逃げてきて、のちに家族と合流を計画するという子どももいます。また、家庭内の暴力がひどく、家を飛び出してきたという子もいます。米国にすでに移住している親戚を頼って、送金してもらいながら旅をする場合もあります。

 いずれにしても、子どもにとって非正規なかたちで国境を越えることが厳しい旅路であるには変わりなく、途中で心身の健康を崩してしまうこともあります。

 メキシコでは、そうした子どもを保護し、家族との合流をサポートしたり、米国行きを断念してメキシコに定住する手続きを手伝ったり、職業訓練などの自立支援をしたりするNGOもたくさん存在します。

​ メキシコシティにある「カフェミン」(CAFEMIN, Casa de Acogida Formación y Empoderamiento de la Mujer Migrante y  Refugiada) は、そういった団体の一つです。AENNAMは「カフェミン」に滞在する子どもたちにオンライン教室を開いたり、寄付を送ったりしています。

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ホンジュラス
グアテマラ
エルサルバドル

       「メキシコを通過した子どもの移民数の推移」          

   保護者同伴の子ども       保護者同伴なしの子ども

​「出身国別移民の子どもの割合」

※いずれのデータも、メキシコ人権委員会2019年次活動報告書より引用。 Personas Migrantes (cndh.org.mx)

​移民の街 ティファナ

 

 メキシコとアメリカの国境の最西端に位置する街ティファナには、中米諸国をはじめとする様々な国からの移民、そしてアメリカから強制送還された移民が多く滞留しています。アメリカへの入国を試みる移民が多く集まりますが、国境には頑丈な壁が築かれ入国はかなりの危険を伴います。難民申請をして入国することも可能ですが、最低6ヶ月待機しないといけない上に、審査を通過するのはたった1%ほどです。ティファナ には移民支援を行う施設がありますが、十分に環境が整っているとは言えません。

​(ティファナ に移民調査へ行ったときのことをまとめたので詳しくはブログにて)→ティファナ前編、街の様子」

 「ティファナ後編、移民調査」

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